忘れてもらえないの歌 感想

タイトルの通り、安田章大さん主演舞台「忘れてもらえないの歌」を観劇しに弾丸大阪遠征をしました。チケット譲ってくれたマオキチ、ありがとう!たァちゃんマオキチでご飯食べて思い出話に花咲かせて、なんならグッズまで買って久々にエイト事でオタクできてめちゃくちゃ楽しかった!!ただ、スケジュールがタイトすぎて腰が死んでいます。

よし、感想書こう。

あらすじは他のオタク様が上手に書いていると思うのでそちらをご参照ください。ザッと話すと、舞台は戦時中〜戦後、徐々に規制が厳しくなる中で、アメリカの音楽を流し歌い踊れる場を提供していたカフェ・ガルボ。そして戦争に伴う空襲を受けて、食べるものも、住む場所も、仕事もなくなった日本に生きていた滝野、そしてお金を稼ぐために集まったバンドメンバーの半生を描いた物語です。

 

とりあえず感想を言うと、まぁーーーなんとも人生上手くいかなくて苦しくなる、後味がじわっと、ツーンと心が痛くなる舞台でした。

前半は戦時中の日本を舞台に、ガルボの常連そして滝野が空襲の被害に遭い、金を稼ぐためにバンドを始め、徐々に人気を博していく場面を描いています。

 

まず印象的だったのは空襲のシーン。爆音と共に全てを失ってしまった人々が、途方に暮れながら街を彷徨う、、、これがすごく怖かった。心ここにあらず、死人のように、中には力尽きて死ぬ人もいて、まるでそこは地獄でした。その中で必死になにか探すように歩き回る滝野との対比も色濃く描かれていました。みんな心が空っぽだから、滝野がぶつかっても気づかないんだよね。それが怖かった。生きているのに心が死んでる。

その後しばらくシーンが続いた後に出てくる滝野の「喜びでも怒りでも悲しみでもなんでもいいから、なにか1つでも心に満ちる何かがないと死んでしまう(意訳)」のセリフが刺さりました。心が動いていることが生きている証なんですね。いや〜〜〜あれは痺れたな。

 

さて、ここから後半戦。ただ「お金を稼ぐため」だけに集まったバンドメンバーですが、それぞれやりたい音楽、やりたい作詞が出てきて意見の衝突も発生します。ただ踊れれば音楽なんてなんでもいい、なんていう人も。必死に金を稼ぐというひとつの目的を果たしつつある中でメンバーそれぞれの思いが交錯しだします。その思いが徐々に歯車を狂わせていき、メンバーが1人辞め、2人辞め、、、だんだん減っていくメンバーとのすれ違いが切なかった〜。あと元慰安婦たちが団地妻になってる一方で売れない歌い手をやってる対比がエグかった。

そして、解散状態になった中で急遽舞い込んだ楽曲作成の依頼。これで上手くいくんじゃないかと滝野たちはまた一から音楽を作り出します。ズーッチッチから始まるんですよね、、、泣きそうになったわ、、、。そして楽曲はでき、いざ発売日に聴いてみると全く違く音楽が流れて。制作したのに費用だけ詐欺られて収入ゼロ。せっかく集まれたのに結局ダメだった。いよいよみんなバラバラになり、残されたのは借金と解体されるガルボと滝野。寂しすぎる。ガルボの支配人も、時が経ってボケたのかガルボのことは忘れていて。滝野はみんなで作った歌を歌います。でもリリースされてないから誰も忘れてくれない。その歌を聞いた支配人が最後に「忘れてあげる」と声をかけて舞台は終わります。

せっかく作った歌も、誰にも認知されないから忘れてさえもくれない。え、切なすぎるよ、、、。

なんかもう夢破れまくってなにも残らなかった現実がしんどい。でも戦後ああいう人生を歩んだ人は少なからずいたんだろうなと胸を締め付けられる舞台でした。

戦争で死ぬことももちろん辛いけど、辛いのはその後の生活。あの時代を必死で生き抜いた人たちの生き様を垣間見ました。

やはり舞台人、安田章大はかっこよかった。また安田くんが出てる舞台観に行きたいな、、、。

 

あと!佐野くんめちゃくちゃかっこよかったです!!ドラムももちろん歌もダンスもダイナミックで弾けてた!まだ高校生なんだね、可能性は無限大だ!(こうしてまたJr.沼を開拓するオタクであった)